長谷川一宏准教授 JASN誌に採択-ボクロスポリン過量時の急性腎障害の要因を初めて解明-
2025年 05月 23日 投稿

新規免疫抑制剤ボクロスポリンは欧米に続き、ループス腎炎に日本国内でも最近になり処方が開始され、その有効性に期待が国内でも益々高まっている新世代のカルシニューリン阻害(CNI)薬です。しかし、他のCNI同様、一定の頻度で、急性腎障害の副作用が生じることが既に報告されています。しかし、その機序はこれまで全く不明でした。長谷川一宏准教授らは、過量投与時、目玉様に見える異常構造ペルオキシソームが増加する形態の異常のみならず、腎臓内の尿毒素物質のインドール系代謝物の増加が起こる分子学的異常とそれに随伴すると思われるペルオキシソーム機能とミトコンドリア機能の障害を初めて発見しました。図に有る通り、これらの異常ペルオキシソームの発生を抑止する物質も同定し、今後のボクロスポリンの副作用抑止に繋がる可能性のある成果を見出しました。JASN誌に採択の上、2025年5月21日電子版に新たに掲載されました。今後更なる研究の発展が期待されます。