講座紹介

徳島大学腎臓内科の特徴

● 腎臓病診療と透析診療を同時に効率よく研修できる

 当科は週2,3件ペースで腎生検を行い、週一回腎生検カンファを行うとともに、病棟内に入院患者を中心とした透析室を有しています。すなわち腎臓病医療と透析医療を同時に同じ線スタッフから学ぶことができます。他大学では透析室と腎臓内科病棟が管轄が別であることが多く意見相違が問題になることがあります。その不安定さがありません。通常の腎臓内科、透析医療どちらも専攻医指導を受けられ、どちらの専門医も取得できます。
 

● 総合腎臓病センターの活動を行っている


 全身を診ることやConsultation Nephrologyの立場から、腎臓病を中心に総合腎臓病センターが設立されております(図7)。このシステムでは腎臓内科と関連する様々な科の活動を知ることができます。糖尿病専門医、腎移植医の考えを身に着けることができ、医師としての幅が大きく広げられます。総合内科的な役割を持つ腎臓内科ならでは活動に従事できます。
 

腎移植内科医を目指せる。

 徳島県内で腎臓移植のできる施設は徳島大学病院です。この強みをいかし、腎移植周辺の内科診療を直接行うことができます。移植腎病理、ドナー管理、プロトコール・バイオプシーといった泌尿器科の先生方の移植医療の補助診療を行えます。移植医療が今後増えれば、必要な技能となります。
 

県内に多くの関連病院を有している。そして腎臓内科専門医は徳島県内で少なく期待が高い

 徳島大学は四国で最古の医学部であります。1973年までは徳島大学医学部は四国で唯一の医師養成機関でありました。従いまして徳島大学の関連病院は四国全域にわたり、四国内の基幹病院へ多くの卒業生を送り出すという責務を継続して負ってきました。県外にも関連病院があるのです。その一方で多くの基幹病院で透析専門医はいるのですが、腎臓内科医は不在なのです。すなわち、透析医療は充実していてもそれを阻止する医療が充分でありません。今や腎臓内科専門医は徳島県内では県医療、県財政を救う希望と言っても過言ではありません。当科ではこれまで徳島赤十字病院、愛媛県中央病院に腎臓医療の核となる先生を輩出しています。しかしながらまだまだニーズは高いのです。
 

● 腎臓、透析にかかわるマンツーマンで手技を修得できる。

 腹膜透析、シャントPTA、腎生検はどの病院や開業しても期待される手技です。これらを定期的に行っています。学ぶ機会は腎生検毎週2-3件、そして生検のカンファレンスは毎週行っています。腹膜透析は月1-2例導入しています。こうした腎臓内科として求められる手技を確実に習得できます。
 

● 女性がいきいきとそして堂々と活躍している

 腎臓内科は女性が活躍できる内科としても有名です。長時間かかるようなハードな手技はなく、また透析クリニックに勤めれば定時の勤務で終了となります。自己の生活設計がしやすいのです。しかしながら、患者とは「病気の時だけのお付き合い」といった診療ではないので内科医として患者、医療に深くかかわることができます。QOLが確保されるものの、内科医として頼られるというのが科の性格であり、女性医師が多いのです。当科では女性医師は半数以上で、生き生きとそして堂々と活躍しております。逆に女性医師への理解が深い科と思っており、そうした科の運営に心がけています。
 

● 研究指向の強い方も十分満足できる

 医師が臨床研究するのは理解できると思いますが、基礎研究をやることには皆さんはどのような意見でしょうか?すべての医療は当然いきなり患者さんに試すことはできないから私たちが行う医療のすべては基礎医学から成り立っているのです。そんなことはあまりも当然と思うかもしれませんが、昨今の日本の専攻医育成を見ると、厚生省の決めた治療法をよく理解してそれに従順な国民の医療ニーズに応える医師をさっさと育成すればいいという考えがあるように思えます。膨大な時間を使って研究するのは一部の意識の高い先生だけでいいという風潮があります。若手の先生もこうした風潮を感じ基礎研究する意義をあまり感じない人が多いように思います。しかし医師は基礎医学を4年もかけて学んでいるからすでにその知識を用いて新たものを創造することができるscientistなのです。私は与えられた治療法を従順に応用すること重要ですが、自ら新たな医療を切り開く気概を医師に持ってもらいたいと常々思っています。時間を切り売りするemployerとしての医師ではなく新たなものの創造に没入する素養、資質を持っているscientistであることを忘れないでほしいと思います。四国最古の大学であることも関係してか、徳島大学は研究が盛んです。当科では基礎研究を先代の土井俊夫名誉教授時代から盛んにやっています。大学病院で専攻医研修を受ける大きな魅力は基礎研究ができることなのであります。そして腎臓病の治療薬はまさに発展途上です。ぜひ、一緒に研究をいたしましょう。
 

● 若いころより収入が確保されている。外勤の枠が充分にある。

 大学病院勤務は明らかに専攻医修得前ですので収入面で不安を感じることが多いと思われます。その点腎臓内科は透析クリニックのパートという収入源が確保されています。しかもパート先で手術をしたり、大人数の外来を担当することはありません。透析患者さんの回診、処方をすればそれでよいのであります。昔から若い医師にとっての腎臓内科の一つの強みとなっています。既定の範囲内で生活の確保という点でも当科は多くのクリニックからのパート依頼を断っている状況です。


当科の腎臓内科としての強みをお話ししました。当科は顔が見える科の運営を志しています。上から下まで水平感覚で医局運営ができればと思っています。

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